クラミジア性頚管炎(咽頭炎)について

クラミジア性頚管炎(咽頭炎)について

クラミジアってどんな病気か?

クラミジア・トラコマチスという細菌が原因で起こる、最も一般的な性感染症で、日本国内の感染者数は40万人以上もいるということです。
特に若い人が多く、性経験がある一般の高校生で女性が13.1%、男性の6.7%が感染という報告もありました。

ほとんどの人が症状を感じないため、気づかないうちにパートナーにうつしてしまうこともあります。女性の場合は、放っておくと不妊や子宮外妊娠の原因になります。

感染経路は?

性行為により感染し、1回の性行為での感染率は30~50%です。

精液や腟分泌液、感染した粘膜に存在するクラミジアが相手の粘膜に接触して感染します。最近はオーラルセックスが一般的になってきているため、咽喉への感染も広がっています。ペニスに感染している人にフェラチオをした場合は咽喉に感染します。その逆も咽喉に感染している人がフェラチオをした場合はペニスに感染します。クンニリングスでも同じように感染します。

クラミジアは細胞内でしか増殖できない細菌で空気中や水中ではすぐに死滅してしまいます。そのため粘膜や分泌物との接触以外で感染する可能性は極めて低いです。キスや回し飲み程度の接触では感染のリスクは極めて低いと考えられます。唾液での感染は否定できませんが、学会発表や論文では報告されていません。お風呂や温泉、プールなどでも報告はありません。
アナルセックスで直腸への感染もあります。他にもクラミジアを含む体液がついた手で、目をこすったりすると、目に感染する事もあります。出産時にクラミジアに感染していると、赤ちゃんにも感染してしまいます。

クラミジアの潜伏期間は?

1~3週間で、半数以上の男女が無症状です。それによって知らないうちに感染し、パートナーにうつしてしますことがあります。

予防方法

性器クラミジアはコンドームで感染が防げます。必ず最初から最後までコンドームを使用する事をお勧めします。咽頭への感染予防の為に、オーラルセックス用のコンドームも今は売られています。フレーバーの種類も色々あるので是非試してください。

症状は?

ほとんどの方が無症状です。おりものの増加や生理以外の出血、お腹の痛みや性交時の痛みなどがある場合は受診したほうがいいでしょう。

咽喉に感染した場合は、咽喉の痛みや腫れ、発熱があります。咽喉の感染はあまり知られていないため、発見が遅れることが多いです。直腸へ感染した場合は肛門周囲の痛みや、肛門からの出血または分泌物がある。肛門周囲の粘膜がぼこぼこしてきたなど。目に感染した場合は充血や目やに、まぶたの腫れや上輪部の浸潤があります。

感染したのに放置していたらどうなるの?

感染したまま放置すると徐々に進行していく病気です。

クラミジアは体の奥に侵入しさまざまな病気を引き起こします。例えば、卵管炎や卵巣炎、骨盤腹膜炎を起こしPID(骨盤内炎症性疾患)を発症します。さらに炎症が広がると肝周囲炎を引き起こす可能性があります。卵管炎になると、卵管がうまく働かず子宮外妊娠を引き起こしたり、卵管が癒着して不妊症の原因にもなったりします。妊娠中にクラミジアに感染すると、流産や早産のリスクが高まり、またクラミジアに感染したまま出産すると、新生児肺炎や結膜炎など、赤ちゃんにも感染する可能性があるので必ず妊婦検診を受けに行ってください。

検査や治療は?

婦人科受診し、子宮頸管の分泌物、もしくは膣の内側の粘膜部分をこすって採取した膣分泌物を用いて検査します。のどの検査は、専用のうがい液でうがいをするだけで検査ができます。

また近年では、早期発見を促す目的で検査キットが市販されています。インターネット上で購入し、自身で指定部位の検体採取を行って検査機関に送付すると、短ければ数日で結果を得ることができます。

クラミジアは同時にパートナーも感染している可能性が高いため、必ず同時に治療をすることをおすすめします。クラミジア感染症の治療には、抗菌薬が用いられます。日本において広く使用されているものは、アジスロマイシン(ジスロマック)です。アジスロマイシン(ジスロマック)は一度の服用で効果が1週間程度持続します。さらに重症例ではミノサイクロン(ミノマイシン)の点滴が実施される場合があります。菌が消滅しきらない恐れがあるだけでなく、耐性菌が出現する可能性もあるため、医師の指示に従ってきちんと服薬することが重要です。投薬中は体内にクラミジアが残っているため、性行為は避けたほうがよいでしょう。服薬後2~3週間は抗菌薬の影響が残るといわれています。2~3週間後以降に再度病院で検査を受け、クラミジアが陰性であることを確認する必要があります。

クラミジアは無症状なことが多いです。何かおかしいな?と思う時や、パートナーが変わるタイミング、何もなくても半年から1年くらいの定期的な婦人科受診をお勧めします。

ゆかりレディースクリニック

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