ご存じですか?「受胎調節実地指導員」

ご存じですか?「受胎調節実地指導員」

皆様は「受胎調節実地指導員」という資格をご存じですか?当院にも有資格スタッフが在籍しております。今回は詳しくご案内いたします。

受胎調節について

避妊をすることによって妊娠、出産を計画的に調節することを「受胎調節」といいます。
「受胎調節実地指導員」とは、女子に対して厚生労働大臣が指定する避妊用の器具を使用する受胎調節の実地指導を行う者として、助産師、保健師、又は看護師のいずれかの免許を持ち、都道府県知事の認定する講習を修了し、認定された人のことです。

受胎調節とは、人工的に妊娠の成立を一時的に避けることで、避妊とも言われます。
受胎調節の実地指導は、
・ 産児数や出産の間隔を計画的に調節する方法
・ 子供を産まないときは、妊娠を防ぐために具体的な避妊方法
・ 子供を望むときは積極的に妊娠しやすくするための方法
を中心に、指導を行います。

受胎実地指導員とは、「家族計画、避妊の方法や性感染症予防などを教える人」という形で覚えていただいて大丈夫です。

家族計画について

家族計画とは、単に「子供を少なく産む、たくさん産む」ということではありません。
親としての責任を自覚して子供を産み育て、幸せな家庭を築いていくこと。
そのために、健康状態や年齢、子供の数や間隔、家庭の経済力を考慮して全ての子供は待ち望まれた子として産むということです。

避妊方法の選択

人間は皆それぞれが異なった人生を歩んでいます。ですので避妊の選択も異なると考えるべきです。ある人は短期間での避妊を望んでるかもしれないし、ある人は長期にわたって避妊を望んでるかもしれません。すなわち、妊娠を遅らせたいか、家族計画を考えて出産の間隔をあけたいか、もう子供を持つことを考えてないのか、などで避妊方法の選択が変わってきます。

避妊方法の選択基準

避妊を避ける方法を大別すると、使用しているときだけ妊娠しない「一時的な避妊方法」と、妊娠を不可能にする「永久的不妊法」とに分けられます。
一般的に避妊の方法といえばコンドームと考える方が多いのではないでしょうか?
もちろんコンドームもその場でできる避妊方法ではあり、性感染症の予防には役立ちます。ですが、コンドームでの避妊の失敗率は18%と約2割が妊娠してしまう可能性があるという結果です。それにコンドームは女性が主体的に取り組むことができません。

避妊方法の理想的条件として、

① 避妊効果が確実であること。
② 性感を害せず、ムードをこわさないこと。
③ 不自然でないこと。
④ 害がないこと
⑤ 実施が容易であり、継続して使えること。
⑥ 費用がかからないこと。
⑦ 失敗しても、胎児に悪い影響を与えないこと。
⑧ 男性の協力がなくても、女性の意志だけで実行できること。

と挙げられます。しかし上記の条件すべてを完璧に備えている避妊方法はありません。したがって自分たちに適した方法を見つけ出すことが大切です。

避妊方法の選びかたは、

・ 避妊効果が高いもの
・ 適している方法(自分たちに合っているか)
・ きちんと使用できるか

が重要になります。

避妊方法の歴史

知識として、古典的なものから最近の避妊方法まで説明していきます。
性周期を利用する方法で知られるオギノ式定期禁欲法は、
「健康な女性の排卵は予定月経の開始前、12日~16日の5日間に起こる」という断定の下、精子の生存期間を加えて、次回月経前の12日~19日の8日間を受胎期とする、考え方です。しかし月経が順調でない場合や多少のズレなどから最適な避妊方法とはいえません。
精子が膣内に入るのを防ぐ方法としては膣外射精法・性交中絶法があります。これは女性にとっての避妊方法ではないと考えるべきです。
コンドームは男性側がする避妊方法で性感染症の予防になります。しかし先述の通り、コンドームでの避妊の失敗率は18%です。
現在は使われてはいないのですが、精子が子宮内に入るのを防ぐ方法として避妊薬(殺精子剤)やペッサリー法、洗浄法なども過去にはありました。
近代的避妊方法としては、経口避妊薬や子宮内避妊用器具や不妊手術があります。
日本では利用できない避妊方法ですが、注射法や皮下埋没法、避妊パッチや経皮ゲルなどもあるそうです。

ライフステージに応じた避妊方法

若い世代の避妊方法
経口避妊薬・コンドーム・殺精子剤・膣外射精・緊急避妊法があげられます。コンドームや膣外射精は女性が主体で行えない事と避妊の効果は低いためお勧めできません。またコンドームは性感染症の予防の唯一の用具です。感染症の予防には必ず装着するようにしましょう。

産後の避妊方法
授乳中は無排卵で無月経ではあるが避妊に無関心ではいけません。コンドーム・不妊手術・IUS/IUD経口避妊薬があげられます。不妊手術は帝王切開の術中に行うことがあります。IUS/IUDは炎症や子宮穿孔の危険性を考えて分娩後2ヶ月くらいが妥当です。ちなみに経口避妊薬は産後4週間禁忌となっています。

産み終え世代の避妊方法
経口避妊薬IUS/IUD・コンドーム・不妊手術があげられます。

それぞれの世代での避妊方法はありますが、基本的に一番避妊効果が高いものは経口避妊薬や子宮内避妊器具、不妊手術です。
一生避妊が必要なら不妊手術がおすすめですし、今は望まないけども、いずれは妊娠を希望されるのであれば経口避妊薬や子宮内避妊器具がおすすめです。
それぞれの世代にあった避妊方法を見付けることが大切です。

避妊についてご相談ください

人間にとって、セックスによるコミュニケーションはとても大切なことです。しかし妊娠を望んでいない場合、避妊することはとても大切ことです。
医学的根拠のない避妊方法、正しくないコンドームの装着や、ピルの服用。安易に考えないで疑問に思うことはぜひご相談ください。
世代や性別、それぞれおかれている状況や環境は違っていても、産みたいときに産むために、そして望まない妊娠を防ぐために、きちんと避妊のことを考えてましょう。

ゆかりレディースクリニック

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