女性器の病気|5つの性病の症状と治療法について

女性器の病気|5つの性病の症状と治療法について

膣の周りに何かできものができた、痛みが伴うなど何か異常を感じたとき、もしかするとそれは女性器の病気、いわゆる性病かもしれません。

女性器の病気で知っておいていただきたいことは、痛みやできものなど自覚があるものはある意味わかりやすくて対応しやすいのですが、自覚症状がない女性器の病気もあります。

そのためにぜひ知っておいていただき、5つの女性器の病気(性病)の症状と治療法についてお伝えします。思い当たる節がある方は、お近くのレディースクリニックなどにご相談してみてください。

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5つの女性器の病気

今回お伝えする5つの女性器の病気は、

になります。これらはそれぞれ感染する経路があり、それぞれに治療法があります。これらをまずひとつひとつ解説していきたいと思います。

 

クラミジア感染症について

■性器クラミジア感染症とは?

性器クラミジア感染症(せいきクラミジアかんせんしょう)は、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)の一種により生じる性感染症(STD)。

性器では男性では尿道に膿みや痛みを生じ、女性ではおりものが増えるが無症状のこともあり、咽喉への感染では、喉が痛くなり痰が増えたりするが無症状の場合もある。治療せずに放置することで不妊症の原因となったりする。

クラミジア感染症:Wikipediaより引用

微生物が原因で発症し、比較的若い層の患者数が多い感染症

クラミジア・トラコマチスという微生物に感染して起こる病気ですが、若い年齢層が感染し10代の約10%が感染しているとも言われています。

世界各地で感染者がみられ、「世界で最も患者数が多い感染症」といわれています。

性行為、母子感染で広がる

女性の感染率は男性の2倍以上で、その数も年々増加しています。

性器クラミジア感染症になる主な原因は、コンドームを使用せずに性行為をしたり、口と性器での感染、母子感染などがあげられます。

性器クラミジア感染症の症状

主な症状は感染したときにはあまりなく、女性の約80%の方は自覚症状がありません。

自覚症状がないため、自分がクラミジア感染症になっていることもわかりません。そのため、治療をする前に男性パートナーとのセックスや、出産などで小さな子供へ感染することがあるので注意が必要です。

また症状が出だすと、おりものが増えたり、軽い下腹部痛や排尿時に痛みが起こるようになります。

放置すると上行性感染を起こします

症状が出だしても、クラミジア感染症にかかっていると気づかず、それを放置していると子宮の入り口で炎症をお越し、卵管、卵巣、骨盤腹膜炎を引き起こし、肝臓にまで広がる上行性感染につながります。

もしこのような状態になってしまうと、不妊症や子宮外妊娠になることもあります。

また、クラミジア感染症は性器だけではなく目やのどの粘膜にも感染しますので、風邪をひいたわけでもないのにのどの不快感が続く方は、検査をおすすめします。

男性は、女性よりさらに症状が軽く、自覚しにくいですが、症状のある場合は、性器の不快感、痒み、水や粘液のような分泌物などが現れます。

クラミジア感染症の治療法

クラミジア感染症にかかってしまった方の治療には、抗生物質をお出ししますので、この飲み薬を服用していただきます。

通常であれば2週間ほどで治療が可能ですが、パートナーの方も一緒に治療していなければ、またセックスをしてしまうと感染してしまいます。

そのためパートナーの方もご一緒に治療することが必要となります。お互いが完治しない限りまた感染して治療をするという繰り返しになってしまいますので、パートナーと一緒に治療することがすすめられます。

 

淋病について

■淋病とは?

淋病(りんびょう、英語: gonorrhea)は、淋菌への感染により起こる感染症である。性感染症(性病、STD)のひとつ。

淋菌性尿道炎では尿道の強い炎症と痛みを生じ、膿みが生じる。女性や咽喉への感染では無症状のことも多い。1回の性行為による感染率は約30%と高い[1]

淋菌の診断が下った場合の性器クラミジア感染症と同時感染は20-30%であるため、その場合クラミジアの検査も必須とされる[2]。1984年をピークに減少したが、1990年代半ばから増加しつつある。

淋病:Wikipediaより引用

感染率の高い性感染症

淋病は、淋菌と言われる細菌に感染することで淋病を発症してしまいます。この淋病は、クラミジア感染症と並んで、非常に感染率の高い感染症で、1回のセックスで感染する確率は30~50%とも言われています。

クラミジア感染症と同じく、感染しても症状としてはっきりとしたものが出ない無症状であることが多いため、なかなか気づきにくい感染症でもあります。

そして、気づきにくいがゆえに、そのままセックスをしてしまいパートナーに感染してしまうということがよくあります。

咽頭感染も多い

パートナーの口と性器が増えるオーラルセックスが増えることで、淋菌がのどから検出されることもよくあります。

淋病に関した男女の約30%の方がのどから淋菌が検出されています。淋病になり治療をしたけど、セックスをしていないのにまた淋病になってしまったという方は、のどである咽頭感染が考えられます。

性器だけではなく、のどからも感染してしまうのが、淋病の特徴でもあります。

淋病に感染したときの症状

女性の場合

女性は症状が出ないことも多いですが、このような症状が現れることがあります。

  • おりものの増加(黄色い膿のようなものが出ると要注意です)
  • 女性器周辺のかゆみ
  • 強いお腹の痛み、発熱
  • 腹膜炎(卵管や骨盤内に炎症が広がることで起こります)
  • 頻尿や排尿時の痛み
  • オーラルセックスによる喉への感染が原因の咽頭炎、結膜炎など
  • 産道感染による、新生児結膜炎

男性の場合

男性は、女性よりも症状が現れやすい特徴があります。

  • 尿道の痛みや熱っぽさ
  • ペニスの先から白く濁った膿が出る
  • 強い排尿時痛、排尿困難 など

このような症状が出ることがありますので、もし身に覚えがある方は、一度お近くのクリニックで検査を受けていただければと思います。

淋病の治療法について

以前までは淋病の場合も、抗生物質を服用していただくことで治療を行っていますが、最近の淋菌は抗生物質に対して高い耐性を持っていることもあり、あまり効果が得られないことがあります。

このような場合、抗生物質を注射で投与し、治療を行いますが、治療には約1週間程度かかります。

また淋菌に感染している約20~30%の方は、クラミジア感染症にもかかっている可能性が高いですので、同時にクラミジア感染症の検査をしておくことをおすすめします。

 

性器ヘルペスについて

■性器ヘルペスとは?

性器ヘルペス (せいきヘルペス) は、単純ヘルペスウイルス(HSV: herpes simplex virus)によって発症する性感染症である。

水疱ができ、痛みを生じる。単純ヘルペスは唇などに生じ、性器ヘルペスは性器周辺に生じる。単純ヘルペスは風邪や疲労等の免疫力低下により発症を繰り返す。完全なウイルスの駆除は現時点では難しい。

性器ヘルペス:Wikipediaより引用

性器ヘルペスになる原因

ヘルペスと聞くと、口にできるのをよくご存じだと思います。唇の一番外側にでき、水泡ができたり、痛みを伴ったり。

これと同じようなものが女性器にできるのが、性器ヘルペスです。

性器ヘルペスになる原因は、性器に単純ヘルペスウイルスの1型・2型などが感染する病気です。口にヘルペスができるときと同じで、ストレスや疲労などで免疫が低下しているときに発症、もしくは再発しやすくなります。

1型と2型の違いは?

1型と2型の違いは、上半身に出るのか下半身に出るのかという部分の問題があります。

1型の場合、口周辺や目、顔などの上半身に症状が出ます。2型の場合、主に性器を中心とした下半身に症状が出ます。

ただ、例外があり性器と口が接触するオーラルセックスを行うことで、1型の症状が下半身に出ることもあります。

感染するルート

クラミジア感染症など同様、症状が現れていなくても唾液やおりもの、子宮や女性器の粘膜にウイルスがいることがあるため、パートナーが皮膚炎やアトピー体質の場合は、感染しやすくなってしまいます。

ただ、ヘルペスの抗体を持っていれば発症する頻度や確率は低くなります。

性器ヘルペスになったときの症状

初めて感染した場合

  1. 性器や口に単純ヘルペスウイルスがいるパートナーとの性的接触で感染します。
  2. 2〜10日間の潜伏期間をおいて、突然発症します。感染は外陰部だけでなく、子宮の入口から膀胱まで及ぶこともあります。
  3. 症状が出て3〜5日目に水疱が破れて融合し、激しい痛みを伴う浅い潰瘍になります。足の付け根のリンパ節まで腫れることもあり、1週間前後に最も重症化します。
  4. 初感染後抗体ができ、通常3週間で血液に出てきます。

再発の場合

症状は軽く、多くの場合、1週間以内に改善します。

性器ヘルペスの治療について

初めて感染した場合

2〜3週間で自然に治癒します。また、ヘルペスウイルスを抑える薬を1回1錠、1日2回、症状に応じて5〜10日間服用すると、1〜2週間で治癒します。さらに重症な場合には、点滴を症状に応じて5〜10日間併用します。
ただし、これらの薬はウイルスの量を減らすだけで、潜伏しているウイルスを完全に消失させることはできません。

再発の場合

ほとんどは自然に治癒します。2ヶ月ごとに再発を繰り返すようであれば、再発抑制療法を行います。
再発の場合は、疲労、ストレス、過度の飲酒を避けるようにしましょう。また、再発の兆候があれば、早めに受診しましょう。

 

尖圭コンジローマについて

尖圭コンジローマは10代後半~30代と比較的に若い年齢層に多くみられる感染症で、感染すると肛門から女性周辺にイボのような尖ったものができます。

もし肛門や女性器周辺にイボがある方は、尖圭コンジローマの可能性があるので、お早めにクリニックなどで検査をしていただくことをお勧めします。

尖圭コンジローマとは?

尖圭コンジローマは、HPVという100種類以上あるヒトパピローマウイルスの中の、6型と11型に感染して起こる病気です。

もし感染すると肛門や性器に小さなイボができます。これを放置しておくと徐々に広がりイボの数も増えていきます。

男性も女性の場合もそうなんですが、この尖圭コンジローマは、性感染ですが、性器からはあまり感染しません。性器そのものは組織がある程度強く、感染しづらくなっています。して

ですが、性行為をしたときに目に見えない傷がつくことがあり、その傷口から菌が侵入し尖圭コンジローマに感染してしまいます。

がんとの関係もある尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマは、女性の場合子宮頸がん、男性の場合陰茎がんとの関係があると言われています。

またオーラルセックスをすることで感染する可能性もあり、この場合咽頭にイボができます。また、母子感染もするためちいさな子供が感染し、咽頭にイボできる可能性があります。

喉にイボができる症状を、「呼吸器乳頭腫症」といいます。これが重症化すると、イボによって気道が狭くなってしまい、気道閉塞によって死に至ってしまうこともあります。

妊婦の方は、この尖圭コンジローマへの感染には十分気をつける必要があります。

尖圭コンジローマの治療法について

尖圭コンジローマは、飲み薬などでは現在のところ治す手立てがありません。

性器周辺や咽頭にできたイボは、外科的手術によって取り除く必要があります。ただ、根っこにウイルスが残ってしまっていることがあり、約25%の確率で再発してしまうといわれています。

根気強くイボを取り除き、再発の兆候が見られなくなるため治療を続ける必要があります。

尖圭コンジローマについてもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

 

トリコモナス膣炎について

トリコモナス原虫が原因

トリコモナス膣炎は、トリコモナス原虫が膣内に寄生することで起こる感染症です。

トリコモナス原虫が寄生してから、約1~2週間で発症します。もし感染を放置してしまうと、卵管も炎症を起こしてしまい、結果不妊の原因や流産、また早産の原因になる可能性もあり、治療が必要になります。

性行為以外でも感染しトリコモナス膣炎になる

通常、このトリコモナス膣炎は性行為によって感染します。ただ、このトリコモナスは乾燥には弱い性質を持っているのですが、逆に潤いのある水中などでは長時間の間、感染する可能性を秘めています。

そのため、濡れたタオルやトイレの便座、浴槽などでもまれに感染してしまうことがあります。

女性が感染した場合

女性がトリコモナス膣炎に感染してしまった場合、泡状の臭いのきつい黄緑色の膿のようなおりものが増えてしまいます。

性交時に痛みが出てきたり、外陰部や膣がかゆくなってしまったりという症状が見られます。

これは、トリコモナスが膣内の環境を変えてしまうために起こり、元々身体に備わっている膣内を綺麗に保つ働きの自浄作用が損なわれ、さまざまな細菌が増加、増殖することで、先ほどお伝えした症状が現れてしまうことが多いようです。

もし膣から泡のようなおりものが出てきている方は、トリコモナス膣炎の疑いがあるので、覚えておいてくださいね。

薬を使用しトリコモナス原虫を消失させる

トリコモナス膣炎と診断された場合、抗トリコモナス剤をお出しし、飲み薬ですがこれを7日間ほど服用していただきます。

また、同時に膣内に入れるお薬もあるため、こちらも使用していただきます。このようにお薬を飲んだり、投薬することでトリコモナス原虫が消失します。

そうすると、膣内の環境が整い、元々持つ膣内の自浄作用が回復し、起こっていた症状が改善されます。

ただ、お薬を服用しているときにお酒を飲んでしまうと、アルコール中毒の症状が出ることがあるため、治療中は原則としてお酒は禁止になります。

詳しくはこちらの記事も参考にしていただければと思います。

 

まとめ

今回は、女性器の病気(性病)についてお伝えしていきました。

基本的には1回のセックスでも感染率が高く、共通しているのが感染してもあまり症状として表に出ないということです。

ですので、気づかずにパートナーとセックスをしてしまい感染、または再発することが良くあります。

症状として出ることもありますので、上記でお伝えしたことを参考にしていただき、定期的に検査をしていただいたり、何か異常を感じたときにはお近くのクリニックで検査を受けていただきたいなと思います。

よりパートナーと幸せな時間を過ごすために、女性器も健康的に維持させたいですね。

今回の内容が少しでも参考になればうれしく思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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