PMS(月経前症候群)ってなに?

PMS(月経前症候群)ってなに?

PMS(月経前症候群)は月経のある女性であれば、約7~8割の方が経験したことがあるといわれる症状です。
また症状も様々ですが、症状以外にも周りの人たちに理解してもらえない、ということもしばしばあります。男女間だけでなく、時には女性同士でも理解してもらえないといったケースも・・・。
毎月のことで病気ではない、生理はみんなあるもの、と症状を我慢している人も多いでしょう。しかし適切な対処を行うことによって症状がかなり楽になります。
PMSとは何か、PMSの原因や症状、診断や治療、日常生活で気をつけたい点などについてご案内いたします。

PMS

PMSは、Premenstrual Syndrome(月経前症候群)の略称です。
月経の前になると現れる不快な心身の症状のことを言います。症状は、月経の10~14日前から始まり、排卵後の黄体ホルモンが分泌される周期と重なっていて、月経開始とともに消えます。

代表的な身体症状

腹痛、下腹部の膨満感のほか、頭痛、腰痛、乳房の痛み、体重増加、浮腫(むくみ)、のぼせ、肌荒れ、疲れやすさなど200以上の症状があります。とも300ともいわれるほど多岐にわたります。精神症状としては、イライラや憂欝感といったかたちで現れることも多くあります。

精神症状

イライラや怒りっぽさとともに疲労感・憂うつ感・焦燥感・集中力低下などの症状が見られます。とにかくイライラして他人に八つ当たりしたり、すぐに涙が出るなど情緒不安定になり、日常生活に支障をきたすこともあります。

PMSの対処法

はっきりとした原因が断定できないPMSですが、「黄体ホルモンの影響で身体のバランス」が崩れることが要因と考えられます。PMSの該当期間は心身ともにバランスが崩れやすいことを自覚することが大切です。ですのでそこを意識して、生活習慣や食生活の改善、ストレス対策、運動習慣を取り入れて体質改善に努め、できるだけ身心のバランスを保つようにしましょう。

PMSを医院で治療する場合、症状が比較的軽いケースであれば、それぞれの症状に応じた対症療法で対応します。無理に我慢せずに自分の症状やその強さと月経周期の関係について理解することが重要です。
PMSの症状が強くでるケースの場合、低用量ピルによる治療が有効な選択肢です。
排卵が起こり女性ホルモンの大きな変動があることが要因とされていますので、排卵を止め女性ホルモンの変動をなくすことで症状が軽快します。低用量ピルを服用している期間だけ一時的に排卵を止めるものなので、服用を止めるとすぐに排卵が回復します。その後の妊娠には影響を与えません。

また個人の症状や体質によっては、漢方薬を使用します。当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、加味逍遥散、桃核承気湯、女神散、抑肝散などを処方します。
PMSの症状が重い人の多くに、過度のストレスを抱えていることや、体質になんらかの問題がある傾向がみられます。重度のPMSに対処していくには、これらの問題の解消に、より積極的に取り組んでいく必要もあります。

PMDD(月経前不快気分障害)について

PMDD(月経前不快気分障害)は、PMSと同じように、月経に関連して症状が現れます。


精神的な不調が非常に強いのが特徴で、日常生活に支障を及ぼすほどの強い抑うつ感や不安感、怒りの感情がみられ、自殺しようとする行為や自殺願望がみられることもあります。このため、アメリカではうつ病の一種とみなされています。
PMDDの治療には、抗うつ薬・SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が、使われることが多く、服用方法としては、排卵から月経までの黄体期に服用する方法が用いられます。
婦人科を受診される前に、先に心療内科にて医師の診察を受けてください。

PMS、PMDDの症状は多岐に及び、症状の程度も様々です。どのような治療がよいか、どの診療科目を受診するか迷うところです。かかりつけの医師に相談して決めるのもよいでしょう。くれぐれも、無理してがまんをすることのないようにしてください。

ゆかりレディースクリニック

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