夏バテからくる自律神経の乱れについて

夏バテからくる自律神経の乱れについて

 

今年の夏も例年通り猛暑が続いていますが、それに加えコロナウィルス感染症の蔓延防止のためのマスク生活が続いています。
気持ちも沈む大雨が長く続きもしており、このような場合、季節の変わり目を迎える9月ごろには、不眠や頭痛などの不調を訴える患者さんが増えてきます。

よく言われる「夏バテ」は、真夏の気候や伴う食欲減退などにより、外的要因や栄養面のバランスの乱れ等によって、自律神経が疲弊し、コントロールが効かなくなってしまった状態です。
それに加えて、今年は特に天候、気温の変動が激しいため、自律神経への負担が増えると思われます。
「夏バテ」の詳細な要因は、

  • 気温の変動や、冷暖房による屋内外の温度差で、体温調節がコントロールができない。
  • 食欲不振や胃もたれ、下痢、便秘などの胃腸の不調による栄養不足
  • 腹痛、頭痛、めまい、睡眠不足

といった身体的な症状とともにそれによる、

  • 意欲の低下:体がだるくて意欲がわかない
  • 集中力の低下;仕事や勉強に集中できない
  • 気持ちが内向きで憂うつになる

といったメンタル面の不調に繋がり、家族や友人、仕事関係といった人間関係に支障をきたしてしまう事も少なくありません。

たかが「夏バテ」と思って、こうした状態を放置したままでいると、症状が進行して慢性的な自律神経失調症となってしまい、一年中不調に悩まされてしまう事になります。

自律神経

人間の体内にある神経には、全身に指令を送る中枢神経(脳・脊髄)と、体の隅々ま張りめぐらされた細密な末梢神経があり、自律神経は、末梢神経の一つです。

自律神経とは、人間の生命を維持していくうえで欠かせない重要な神経であり、主な役目は呼吸、血液循環、消化、代謝や体温の調整、それらを行う内臓の働きやなど、多岐に関わっています。
また自律神経の中でも、活発に動いている時、日中に優位になる「交感神経」と、リラックスしている時、夕方から夜にかけて優位になる「副交感神経」に分かれています。

そもそも自律神経を、私たちが意識して働かせたりすることはできません。体内で自動的にその役割を担っています。
日中は交感神経が優位になり、筋肉を緊張させ、血圧や脈拍を上げ、体を活発に動く活動状態にします。そして、夜になると、副交感神経が優位になり、血圧や脈拍を下げ、筋肉を緩め、体を休ませながら、胃腸の動きを高め、食物の消化を促し、栄養の吸収や免疫力を高めます。

また自律神経の働きとして、気温の変化に適応させて血流や発汗を調節し、体温を一定に保つ働きもあります。
暑い時は、体の表面近くの血管を広げて血流を増やしたり発汗させて、体内の熱を外へ放出し、体温が上がらない様にします。反対に寒い時は、血管を縮めて血流を減らし、熱が外へ逃げない様にします。
この様に、自律神経のバランスによって、体や心の調子は変わるのです。

現代の日本において

昔の日本と比較しても、現代では、地球温暖化の影響で、平均気温が年々上昇しています。
いわゆる猛暑日が明らかに増えて、夜になっても気温が下がらず、熱帯夜が続くこともあたりまえになりつつあります。
梅雨の時期はより蒸し暑くなり、9月に入っても猛暑が続き、自律神経を乱すリスクがさらに高まっています。
近年は夏期になると当たり前のようにエアコンをフル稼働させ、屋内外で激しい気温差が発生します。
1日の生活の中で、何度もこの気温差に体内環境を適応させなければならず、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかなくなり、自律神経自身がコントロールが効かなくなります。

夏の気象条件だけではなく、我々現代人は生活環境、仕事環境のデジタル化に伴い、自律神経のバランスを崩しやすくなっています。
パソコンやスマートフォン、ゲームなどの電子機器を夜中まで使用することにより、ブルーライトや昼間の様に明るく照らすLED照明などの影響で交感神経と副交感神経の切り替えが非常に難しくなっています。
そのため、、一年を通して自律神経が慢性的に疲弊している方が多くなっています。そういう状況下で、梅雨や酷暑でさらなるダメージを受けてしまいます。

それにあわせて昨年から続くコロナ禍により、在宅や外出を控えざるを得なくなり、運動不足、マスク生活、などで生活のリズムが乱れてしまっています。在宅勤務やテレワークの浸透により、便利になった反面、デジタル機器を使用する時間も増え、体調を崩す要因は高まったともいえます。

「自分は夏バテ知らず」という方もおられるでしょうが、現代の日本においては、自律神経は間違いなく疲れている可能性はあります。そしてこれから少しずつ涼しくなっていく季節の変わり目は、自律神経がまた乱れやすくなってしまいます。
過信せずに本格的な秋を迎える前に、自律神経系がこれ以上疲れない様にしっかりと体調を整えることが重要です。

自律神経を整えるために

摂取したい栄養素

真夏に夏バテが進行してしまうと、どうしてもさっぱりとした麺類や冷たいものをとりがちになります。毎食このようなものが続くと冷たい食品は体の中が冷えてしまい、血流が悪くなったり下痢になったり、と、代謝の低下に直結してしまいます。
また、口当たりのよいものを優先して食べていると、結果的に炭水化物や甘いものなどになりがちで、ホルモンバランスや自律神経はますます乱れてしまいます。

体調を整えるには、まずは体の基礎となるたんぱく質をしっかり摂取してください。たんぱく質には疲労を回復させてくれる栄養素が豊富に含まれていますので、大豆製品等の「植物性たんぱく」、魚・肉、卵等の「動物性たんぱく」をバランスよく摂りましょう。
調理の際には、発汗作用のあるスパイス、香辛料を使った料理や生姜、薬味など、体のむくみをとったり体を温めたり、代謝を整えてくれるものを、意識して選択してください。
たんぱく質の代謝をより高めるためには、ビタミンやミネラル、良質な脂質を一緒に摂ることが大切ですので、野菜や海藻などを、たんぱく質と抱き合わせて、食べやすいメニューで工夫して食べるようにしてみましょう。
ただし食欲がない状況で無理をして、たんぱく質を増やそうと暴飲暴食すると、消化不良をおこしてしまいます。消化できる量をしっかりとよくかんで食べる様にしましょう。
食欲がどうして無い時は、効率よくたんぱく質を摂取できるサプリメントを利用することも可能です。
以前にもご案内しましたが、サプリメントでの栄養素の補給で注意すべき点をはサプリメント選びです。同じ栄養素でも含有量の違い、生産者による品質の差があります。含有量が少なくては話にもなりません。また多くともヒトの身体にしっかり届かなくても意味がありません。

医療機関でのみ取扱が認められているサプリメント

医院で提供されている「医療機関専用サプリメント」は医師によるしっかりとた判断において提供されており、身体に一番安全で効用が認められるサプリメントであると言えます。
当院のWEBサイトにて取り扱っているサプリメントのご紹介をしております。サプリメント選びのご参考にしてください。

MSS DUOサプリメント(ゆかりレディースクリニックWEBサイト)

温度変化

先述の通り、温暖化の影響で、屋内外で極端な気温差となってしまい、自律神経がコントロール不能な状態に陥りやすくなります。エアコンの効き過ぎは、自律神経系の乱れを助長してしまう大きな要因ですので、部屋全体が冷え過ぎないように注意し
ましょう。エアコンの効いている室内は、上半身は暑くても下半身は冷えていることが多いので、夏でも湯船にお湯を張り、ぬるめの湯にゆっくり浸かると効果的です。
就寝時については、眠ると体温が下がって冷えやすくなるため、寝始めは涼しく、その後は高めの温度設定にしましょう。

適度な運動や十分な睡眠も大事

夏の疲れを引きずってたままで無理をして激しい運動をすると、活性酸素が体内で蓄積しやすくなり、かえって体調を崩す誘因となってしまいます。
朝夕などの涼しい時間帯のウォーキングやストレッチなどの適度な有酸素運動でに体を動かしことが効果的です。
そして睡眠をしっかりとることはとても大切です。自律神経は脳からの指令で働ています。睡眠不足は脳の働きを低下させてしまい、自律神経が乱れてしまいます。さらに、慢性的な睡眠不足や夜更かしは、体が疲れやすくなり、慢性疲労を引き起こし、やがて精神的な不調にも繋がってしまいます。
日頃より、睡眠時間は一定に保つように心がけてください。十分な睡眠がとれなかった時は、30分以内の昼寝などでも十分効果的です。
もちろん運動量が多かった日や仕事が忙しかった日は睡眠時間をより多めにとることも大切です。

自分に必要な栄養素を知る

夏バテなどの体調を整えるのに、たんぱく質が重要と先述いたしましたが、今の自分に必要な栄養素を知り、健康を維持することが重要です。
当クリニックでは、オーソモレキュラー療法を取り入れております。
オーソモレキュラー療法とは、栄養を至適濃度で摂取することで身体のホメオスタシス(恒常性維持機能)を向上させ、健康を維持する栄養療法です。
従来の栄養療法とは違い、欠乏症の治療や予防するものではなく、加齢による変化を補うものでもありません。
血液検査結果を解析して、ストレス、加齢、栄養欠損などによる生体恒常性が乱れをキャッチし、病気になる前に正しい栄養補給によって生体恒常性を回復させることを目的としています。

オーソモレキュラー療法(ゆかりレディースクリニックWEBサイト)

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