梅毒について

梅毒について

梅毒ってどんな病気か?

「トレポネーマ・パリダム」という細菌に感染する事で全身に症状が現れる感染症です。

梅毒は主に性行為(セックス、オーラルセックス、アナルセックス)をきっかけとして広がります。そして同じ感染経路を持つHIVやクラミジアに同時感染する事もあります。皮膚や粘膜にある小さな傷から細菌が侵入する事により感染し、特に感染率が高いのはアナルセックスでの感染です。また口腔内に梅毒の病変部分がある場合はキスでも感染します。1回の性行為で感染する確率は20%以上とも言われているほど感染率が高いのが特徴です。

梅毒トレポネーマが体内に侵入、感染すると、数時間以内にリンパ節へ達し、血流に乗って全身へ広がり症状を引き起こします。梅毒にかかっていても症状が現れない時期がありますが、そうした時期でも人にうつしてしまう危険が高いので注意が必要となります。

梅毒の感染経路

梅毒は代表的な性感染症の一つとして知られていますが、感染経路により、性行為に伴い感染する「後天梅毒」と、胎児期に影響を受けることで現れる「先天梅毒」に分けられます。

後天梅毒とは
性行為に伴い発症する梅毒のことです。感染後およそ3~13週間の潜伏期間を経て、梅毒の症状が現れます。

先天梅毒とは
梅毒に感染している状態で妊娠すると、胎児にも影響が生じることがあります。流産・死産になることや、出生した乳児に症状が現れることがあります。

後天梅毒の症状

梅毒の症状は、性器や全身の皮膚にできものができるのが特徴。しかも、症状は放っておくと自然に消えてしまうので治ったと勘違いしてしまうこともあります。
感染した後の、経過した期間によって、症状の出現する場所や内容が異なります。症状は1期(感染から約3週間)、2期(1~3か月)、後期(数年から数十年)の3段階に分けられます。

第1期(感染してから約3週間)

  • 陰部や肛門、口などの感染した部位にしこりや潰瘍ができます(軟骨のような硬さで小さいもので小豆大の大きさ)。
  • 股の周囲のリンパ節に腫れが生じます。

上記のような症状も、放置していれば2~3週間で症状は消え、やがて無症状になります。

第2期(感染してから1~3か月)

  • 菌が血液を介し全身に広がり、皮膚や粘膜にさまざまな発疹の症状(梅毒性バラ疹)が現れます。ただし痛みやかゆみはありません。
  • 倦怠感や発熱などの全身症状も現れ始めます。
  • 肛門周囲や性器にピンク色~うすい灰色のイボ(扁平コンジローマ)ができます。
  • のどや扁桃腺が赤くなる、腫れる、ふやけるといった症状が見られます(梅毒性アンギーナ)。
  • 頭や眉の毛が抜ける症状(梅毒性脱毛)があらわれます。脱毛の仕方も様々で、広範囲に及ぶ場合とまだらに抜ける場合があります。

発疹については数週間で症状はなくなります。またその他の症状も数か月から数年すると症状は自然に消え、しばらくは無症状が続きます。

第3期(感染してから数年~数十年)

  • 治療せずに進行すると、柔らかいゴムのようなしこりが全身にできます(関節性梅毒疹やゴム腫などとよばれます)。
  • 末期になると心臓、神経、血管、目などに重い障害が出ます。

先天梅毒の症状

胎児に梅毒の影響が生じる先天梅毒では、流産や死産に至ることがありあり、また産まれた乳児に次のような症状が現れることがあります。

  • 骨に病変が形成されて痛みが生じるため、手足を動かさなくなります。
  • 髄膜炎
  • 水頭症
  • 哺乳障害

などがみられます。新生児期だけでなく、成長してから難聴や視力障害、歯の形成異常が生じることもあります。

検査方法

クリニックにお越しいただき、血液検査で調べられます。

また近くの保健所などでも検査が受けられる場合があります。

ちなみ梅毒の検査の場合、神戸市保健所で感染症検査は匿名・無料で受けられます。(リンク先:神戸市HP)

血液検査は、感染の機会から1ヶ月後~できます。

性感染症は、早期発見と正しい治療が大切なので、郵送タイプの梅毒を含む検査キットなら、誰にも知られず検査を受けることができます。

治療方法

必ずパートナーに検査を受けてもらい、感染している場合は必ず一緒に治療してください。

主にペニシリンという抗生剤を使って治療します(アモキシシリン)。症状に応じて2~14週間薬を服用します。

第1期なら2~4週間、第2期なら4~8週間、第3期以上なら8~12週間です。

ペニシリンアレルギーなど、ペニシリンを使えない方には別の抗生物質を使います。また妊婦の方には殺菌作用のある別の薬が処方されるなど、状況に応じて使用する薬は変わります。

※治療開始24時間の注意点:薬を飲み始めると発熱、悪寒、筋肉痛、頭痛、皮膚症状が出現することがあります。これは、薬の副作用ではなく、梅毒トレポーマが破壊されることによって起こる現象です。

感染予防について

梅毒は性行為を介して広がる感染症です。予防としては、不特定多数との性行為をしないこと。最初から最後までコンドームを使用することが重要です。ですが、コンドームをしていても、性器以外の病変部との接触により感染する可能性があります。確実に防ぐには、お互い感染していないことを確認するのが必要です。

ゆかりレディースクリニック

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