生理
月経不順の原因とは?ストレスなど考えられる原因と治療について
- 2017.09.11
一般的には生理不順と言われることが多いのですが、本来は月経不順といいます。
月経不順になる原因は、ストレスや食生活の乱れ、自律神経のバランスが乱れることで起こるなど、さまざまな原因が考えられます。
今回は、この月経不順になる原因と改善についてお伝えしていきたいと思います。
こちらの記事も参考にしていただければと思います。
■生理痛がひどい原因とは?|月経困難症という病気の可能性がある
■避妊以外の使い方があるって知ってた?ピルの使い方と効果について
月経不順とは?
月経不順や生理不順といったことを言いますが、そもそもどのような状態を月経不順と言うのでしょうか?
これは、女性の方でも明確にご理解している方は少ないのではないでしょうか。一度ご自身の中で整理をしていただければと思います。
月経不順の基準
生理の周期は、一般的に28日周期と言われていますが、本来この日数はこれまで厳密なものではなく、25日~38日の間であれば生理は正常です。
この周期の期間は、前の生理が始まった日から、次の生理が始まる前日までの日数になります。
月経不順の基準は、この期間が24日以下、もしくは39日以上の場合、これらを月経不順といいます。
月経不順の種類
月経不順といってもさまざまな種類があります。
頻発月経
月経周期が24日以下の早い状態の月経。
稀発月経
月経周期が39日以上の遅い状態の月経。
過短月経
月経期間が2日以下の月経。
過長月経
月経期間が8日以上の月経。
過多月経
出血の量が極端に多い状態の月経。
過小月経
出血の量が極端に少ない状態の月経。
無月経
これまで定期的にあった月経が来なくなった状態。
このように月経にもさまざまな種類がありますが、月経不順はどの女性にも起こりうる症状だと思います。では、なぜこの月経不順が起こってしまうのでしょうか?
月経不順の原因
月経不順が起こってしまう原因の代表格は、ストレスです。ストレス社会の日本では月経不順になってしまっている方が非常に増えています。
月経不順で悩まれる方は、こういった原因が考えられないでしょうか?
ストレス過多
ストレスの主な原因は、
- 働きすぎ
- 人間関係
- 夜更かし
- 身体を冷やしすぎる
などが考えられます。これはすべてストレスの原因であり、ストレスが溜まりすぎると月経不順になりますので、これらが思い当たる場合、これらを見直す必要があります。
働きすぎ
現在の日本社会は、小学校の先生を筆頭に働きすぎだと言われています。
生活のために致し方ないところもあると思いますが、学校の先生は朝6時に出勤し、帰りは0時を回っていることもあるそうです。
パソコンに関する仕事が増え、デスクワークも増えることで運動不足にもなっています。
そのため筋肉が硬くなってしまい、身体が痛んでくるということも実際に起こっています。
働きすぎが原因で、月経不順になってしまうことがあります。
人間関係
人との関わりの中で人は生きていかないといけませんが、そこでストレスを感じている方は多いのではないでしょうか。
上司や先輩、友人関係や姑問題。いろんな人間関係がありますが、それが原因で多くのストレスを抱えてしまっている方も多いと思います。
夜更かし
体内の1日の周期は25時間ともいわれています。
実際の時間は24時間で1時間の誤差が生まれてしまいます。ただ、この1時間の誤差を毎日埋める修正作業が行われていますが、その元になるのが光です。
朝太陽の光を浴びることで、身体のスイッチがリセットされ、身体のさまざまな機能を調整、より健康で過ごせるように働きます。
ただ、夜更かしをしてしまうと経験がある方もいると思いますが、次日心臓がいつも以上にドキドキしていたり、どこか興奮状態になってしまっていたりします。
これは自律神経のバランスが乱れてしまい、交感神経が優位の状態になるためこのような症状を感じます。
夜更かしをしているときは、大体スマホを触っているか、ネットを見ているか、DVDなどを見ているか。常に光を浴びていることが多い。
これによって何がリセットのタイミングなのか、身体はその判別ができず、生活のリズムを崩してしまい、こういう状況になるとかなりのストレスを受けることになってしまいます。
身体を冷やしすぎる
雪山で遭難してしまい、息を引き取っている方を発見すると裸になっていることがあると言われています。
これは、食料がなくなり、寒さのあまり体温が低下してくると、身体は体温を保とうとして身体の内側から熱を発生させます。
この熱を発生させようとする反応が、「身体が暑い」と感じさせ、雪山にいるのにも関わらず服を脱がないと耐えられないような感覚に陥ってしまうそうです。
実際は極寒の地。そこで異常とも言える行動をした後には死が待っています。
人は身体を冷やしすぎると、身体を温めようとするため、身体にとっては非常に大きなストレスがかかってしまいます。
このようにストレスというものを考えても、このような原因が考えらえると思います。月経不順で悩んでいる方は、日頃のストレスはいかがでしょうか?
栄養バランスの乱れ
身体を作る材料は、何といっても食事であり、食事から摂れる栄養で身体は作られています。
身体のさまざまな部位で、必要な栄養を使って機能しているわけですが、その栄養が偏ったり、不足することで月経不順の原因となることがあります。
女性は脂肪を嫌う傾向にありますが、特に女性の場合、脂肪に含まれるコレステロールがホルモンをつくるときに必要なため、脂肪を避けすぎることは身体にとってマイナスになってしまうことがあります。
「脂肪を摂ると太る。」そういう想いもわからないでもないですが、それよりも身体の機能にとって脂肪は必要であり、栄養バランスをとることは非常に重要なことです。
このようなことを一般の方も、なんとなく悟られると思いますが、もっと専門的に見るとこのような原因が考えられます。
その他の考えられる原因
- 過度なダイエットにともなう急激な体重減少
- 急激な体重増加
- 激しい運動、スポーツ
また、体の特定の器官に異常がある場合も、生理不順が起こる場合があります。
- 下垂体の機能の異常
- 卵巣の異常
- 甲状腺機能亢進症・低下症
- 薬の副作用(特に抗鬱剤などの向精神薬)
このようなことが原因で、月経不順が起こってしまう可能性があります。
月経不順の治療法について
月経不順はどのような治療をし、治していくのでしょうか?それは以下のような方法があります。
自律神経のバランスを整える
身体を無意識下でコントロールしているのが、自律神経になります。自律神経は、交感神経と副交感神経とがシーソーのようにどちらかが過多になると体調が崩れてしまいます。
ですので、できるだけバランスがとれている状態が健康体とも言えます。
現代人は、ストレス社会の中でもまれながら生活をしているため、ストレス過多気味であり、交感神経が優位な状態。
ですので、できるだけ身体をリラックスするようなことをして、交感神経の興奮を抑えることが必要となります。そのために行うことは腹式呼吸です。
こちらの動画と方法を参考にしていただければと思います。
- 仰向けになり両手をお腹の上に置く
- 鼻から軽く息を吸って・・・
- 口からろうそくの火を消すようなイメージで細く長く息を吐く
- 気持ちよく感じる腹式呼吸を繰り返す
このような気持ちが良く感じる腹式呼吸を繰り返すことで、身体はリラックスし、寝る前にやっていただくと必ずといっていいほど寝落ちをしてしまいます。
それぐらい身体の調整が可能ですので、最近ストレスが多いなと感じる方は、実践してみてください。翌朝の体調が変わってくるのも徐々に気づけると思います。
このように自律神経のバランスが乱れてしまっている方の場合、腹式呼吸などで自律神経のバランスを整えることで月経不順の改善につながると思います。
OC(低用量ピル)
続いては、OCと言われる低用量ピルについてですが、ホルモンバランスが崩れることで月経不順になることがあります。
この場合、いくら呼吸をしても自律神経のバランスが乱れてホルモンバランスが崩れてしまっているわけではありませんので、あまり変化がみられないと思います。
こういう場合に低用量ピルを使用していただくことでホルモンをコントロールし、月経を正常にすることができます。
漢方薬
■漢方薬とは?
漢方薬 (かんぽうやく)は、日本で独自に発展した漢方医学の理論に基づいて処方される医薬品。
漢方医学の特徴は、伝統中国医学と同様に体全体をみるところにあり、「証」という概念を持っている[2]。証は主に体質をあらわす[2]。
この点で西洋医学とは大きく異なる。漢方診療は「証に随って治療する(随証治療)」が原則であり、体全体の調子を整えることで結果的に病気を治していく[2]。
このため、症状だけを見るのでなく体質を診断し、重んじる(ホーリズム)。西洋医学が解剖学的見地に立脚し、臓器や組織に病気の原因を求めるのとは対照的である。
漢方薬:Wikipediaより引用
漢方薬は、飲んで治療する!というスタンスではなく、飲むことで体質を改善する。結果的に悩んでいる病気や症状を改善するというものです。
漢方薬を服用していただいて、血や気の流れを改善することでホルモンのバランスを整え、月経不順を改善していきます。
生活習慣を改善する
これは一見間接的な対応に見えますが、最も大事なところはここになると思います。
何気なく過ごしている毎日を見直すことで、月経不順も改善すると思いますし、そもそもこれまでの習慣では月経不順になる習慣だということです。
そのため、日頃から心がけたいことは以下のようなことになります。
- 食事を彩り豊かにし、バランスの良い食事にする
- 暴飲暴食や偏った食事をしない
- お酒を飲みすぎない
- 夜更かしせず、一定のリズムで生活を送る
- 働きすぎなど身体に過度にストレスをかけない
- 極端なトレーニング、食事制限をしない
- 喫煙をできるだけ避ける
このように、これまで当たり前のように言われ、聞いてきていることが実は本質だったり、本当に大切なことになります。
月経不順で悩んでいる方は、上記でお伝えしたような治療法があることを知っていただき、改めてご自身の身体と向き合ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、月経不順の原因と治療法についてお伝えしていきました。
根本的な主な原因は病的なことも考えられますが、防ぐこともできる生活習慣が大きく関わっており、まずはそこを見直すことが大切になると思います。
ある程度、原因はこれだなとみつけられることで、治療や改善の方法は見出せますので、まずは、ご自身の生活習慣を振り返ってみてください。
そこで気づいた問題点を改善することが、これから先月経不順が起こらないようにする重要なポイントになると思います。
今日の内容が読者の方の参考になればうれしく思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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