ゆかログ

よく耳にするアミノ酸、そもそもなに？？

以前より「感染症に負けない体づくりを」をテーマに、健康な体づくり、免疫力向上に欠かせない栄養素についてご案内させていただきました。

今回は以前にお伝えした三大栄養素の一つ「たんぱく質」に関連する、とても重要な栄養素、「アミノ酸」について、詳しくご案内いたします。

日常的にも耳にすることが多い栄養分である「アミノ酸」ですが、以前のたんぱく質のテーマの際にお伝えしましたように、たんぱく質はさまざまな「アミノ酸」から構成されています。肉や魚、穀物などを食べると、そのたんぱく質は20種類のアミノ酸に分解され、それが再合成され、私たちの身体が構成されているのです。筋肉を作ることや疲れを取ることなどでアミノ酸が注目されていますが、そもそもはたんぱく質ということはあまり知られていません。

体内で変化するたんぱく質

食事などで摂取されたたんぱく質は、胃や腸で細かく分解されてアミノ酸になります。それが小腸で吸収されて、血液によって身体中の細胞へと運ばれていくのです。細胞にたどり着いたアミノ酸は、種類・数・順序など、さまざまな組み合わせで結合されて、ヒトのたんぱく質になります。このようにたんぱく質は私たちの身体の材料へと再合成されるわけです。

人間の身体を構成しているアミノ酸は20種類あります。この20種類を先述の通り、いろいろな組み合わせ（種類・数・順序）により、体内に必要なたんぱく質を作り出しているわけです。それは髪に使用されるもの、皮膚に使用されるもの、筋肉に使用されるもの、骨に使用されるもの、という具合に身体を構成するたんぱく質に生まれ変わります。例えば骨に使用されるアミノ酸が不足していればどうなるでしょうか？骨が成長できず、身体の生育に影響が出ることになります。
各アミノ酸が不足すると・・・

• 病気への抵抗力が低下（免疫力低下）
• 筋肉量の減少
• 肌のトラブル増
• 貧血や冷え性
• 痩せにくい体質に
• 疲れやすくなる
• 気力、思考力の低下

など、様々な悪影響を及ぼすことが分かっています。

必須アミノ酸と非必須アミノ酸

20種類のアミノ酸のうち、11種類は体内で合成して補うことができます。これらを「非必須アミノ酸」とよばれます。残りの9種類は、体内で合成することができないため、食品から摂る必要があります。この9種類は「必須アミノ酸」と呼ばれています。

20種類のアミノ酸はそれぞれが独自の働きを持っているので、1種類でも不足すると、体の不調を起こす可能性があります。ですので「必須アミノ酸」は特に毎日の食事から、必ず摂ることが必要とされるわけです。ちなみに「非必須アミノ酸」は「食品からの摂取が必須ではない」という意味で、体にとって必要なアミノ酸であることに変わりはありません。ですのでいくら体内で合成できるからとはいえ、やはり食事で補うことが大切です。

アミノ酸の種類と主な役割

9種類の必須アミノ酸

バリン	血液中の窒素バランスを調整したり、筋肉や肝臓に働きかける
ロイシン	筋肉たんぱく質を作る能力と肝機能をアップさせる
イソロイシン	神経の働きを助けたり、血管や肝機能をアップさせる
メチオニン	腎臓、肝機能をサポートして、血中コレステロール値をコントロールする
フェニルアラニン	甲状腺ホルモンの分泌を促し、精神を安定化させる
トリプトファン	神経伝違物質のセロトニンを生産したり、肝臓、腎臓で分解されエネルギー源になる
ヒスチジン	副交感神経を鎮静させ、貧血改善をサポートする
スレオニン	胃液の分泌を促進し、小腸の働きを高めて、消化吸収を良くする
リジン	肝臓のエネルギー源となり、アルコール代謝の改善をサポート

 

11種類の必須アミノ酸

アラニン	肝臓のエネルギー源となり、アルコール代謝の改善をサポート
グルタミン	筋肉や胃腸の正常な働きや免疫カアップ、また肝機能をサポート
グルタミン酸	速効性のあるエネルギー源で、リラックス成分のギャバを生成するなどの働きがあると考えられている。
アルギニン	血官の正常な機能や免疫カアップをサポート
アスパラギン酸	速効性のあるエネルギー源で、疲労回復、スタミナ強化などの作用がある。
アスパラギン	アスバラギン酸とともに、エネルギー生産に作用する
システイン	紫外線による皮慮のメラニン色素の生産を抑え、抗酸化作用がある
プロリン	皮膚を構成するコラーゲンの主原料となり、天然保湿成分生成に必要とされる
グリシン	胃液の分泌や制菌、ミネラルの吸収を助けたり、血色素成分の生産をサポート
セリン	リン脂質やグリセリン酸生産の源となる
チロシン	神経伝達物質の原料となり抗ストレス作用がある

アミノ酸を上手に摂取

以前の記事「「免疫力向上」にはたんぱく質が欠かせない？」でもご紹介しましたように、必須アミノ酸がバランスよく含まれているかを示す「アミノ酸スコア」という指標があります。ただ勘違いしないでいただきたい点は「アミノ酸スコア」が高い食品ばかり食べていればいい、というわけではありません。たとえば肉を毎日食べ続ければ、脂質の摂りすぎになり、身体に悪影響が出てきます。必須アミノ酸が不足している食品は、それを補う食品と組み合わせて摂ることで、アミノ酸バランスのよい健康的な食生活になります。

アミノ酸のバランス

わたしたちが主食としている「お米」はリジンの量が不足しているので、リジンが豊富な豆類との組み合わせが最適です。グリーンピースを炊き込んで豆ごはんにしたり、納豆かけごはんにするだけで、すべてのアミノ酸を必要量、摂ることができます。逆に豆ごはんで使用するグリーンピースは「トリプトファン」や「メチオニン」の量が少ないのですが、これはお米で補えるので大丈夫、といった具合にバランスをとるために様々な品目を摂取することが重要なわけです。

当院では、オーソモレキュラー栄養療法の一環として「栄養解析」の検査も実施しております。
現在のお悩みや症状を把握するための事前チェックリストへのご記入や、血液・尿の検査を行い、その人に不足している栄養素の検査、また補うための栄養指導、サプリメント製品をご案内しております。
詳しくはこちら→「オーソモレキュラー療法（ゆかりレディースクリニック公式HP）」

アミノ酸の働きを高めるビタミンB6

たんぱく質からアミノ酸への分解、そして再合成を行うときに欠かせない栄養素はビタミンB6です。たんぱく質をたくさん摂るときは、その分、ビタミンB6もしっかり摂りましょう。

サプリメントも有効活用

食の細い方や苦手な食材がある方は、効率よくたんぱく質を摂取できるサプリメントを利用することも可能です。以前にもご案内しましたが、サプリメントでの栄養素の補給で注意すべき点をはサプリメント選びです。同じ栄養素でも含有量の違い、生産者による品質の差があります。含有量が少なくては話にもなりません。含有量が多くても、ヒトの身体にしっかり届かなくては意味がありません。

医療機関でのみ取扱が認められているサプリメント

医院で提供されている「医療機関専用サプリメント」は医師によるしっかりとた判断において提供されており、身体に一番安全で効用が認められるサプリメントであると言えます。
当院のWEBサイトにて取り扱っているサプリメントのご紹介をしております。サプリメント選びのご参考にしてください。

MSS DUOサプリメント（ゆかりレディースクリニックWEBサイト）

本記事のまとめ

●三大栄養素の一つであるたんぱく質はさまざまな「アミノ酸」から構成されている。
●20種類ある「アミノ酸」は9種類の必須アミノ酸と11種類の非必須アミノ酸に分類される。
●「9種類の必須アミノ酸」は体内で合成することができないため、食べ物やサプリメントから毎日摂取することが必要。
●20種類のうち1つでも不足すると身体に悪影響が出る。