お悩みはさまざま!月経のトラブル(受胎調節)

お悩みはさまざま!月経のトラブル(受胎調節)

月経についてお悩みはさまざまあり、人によっても違います。ましてや人と比較することもないため、よりわかりにくいかと思います。
代表的なお悩みについて、今回は「月経周期」、「月経量」、「月経期間」のことをご案内いたします。

ここで正常な「月経周期」についてのおさらいです。
「月経周期」とは出血が始まった日を開始日として、この日を1日目と数えます。そして、次の月経が始まるまでの期間が1回の月経周期となります。月経周期の長さには、正常でもおよそ25~36日間という幅があります。月経周期がちょうど28日間となる女性の割合は10~15%にすぎません。また少なくとも20%の女性で、周期は不規則になります。つまり、月経周期は正常範囲より長かったり短かったりします。通常、月経の開始(初潮)の直後と閉経の直前の数年間は、月経周期の変動が最も大きくなり、1回の周期の長さは最も長くなります。

月経周期の異常

頻発月経

正常な「月経周期」よりも生理の周期が短い場合(24日以内)は、「頻発月経」といいます。
「頻発月経」は、無排卵性のものと排卵性のものに分けられます。

  • 無排卵性月経とは、排卵がないのに出血が起こっている状態で、経血量が少ないまま、生理がダラダラと長引くことが多いのが特徴で、思春期や卵巣機能が低下する更年期前の女性に見られます。
  • 排卵がある場合は卵胞期の短縮や「黄体機能不全」などの病気が疑われます。卵胞期短縮といって、月経の開始から排卵までの時期が短くなったり、反対に、黄体機能不全では、排卵から月経開始までの時期が短くなったりします。

治療は、挙児希望(妊娠の希望)の有無によって異なります。

  • 挙児希望の場合は排卵誘発が必要になるため、専門クリニックへの受診をおすすめします。
  • 挙児希望がない場合はホルモン療法、エストロゲン・プロゲストーゲン療法が必要となります。

一時的な場合は経過観察でいい場合もありますが、何回も起こる場合には治療が必要です。

稀発月経

正常な「月経周期」よりも生理の周期が長い場合(39日以上)は、「稀発月経」といいます。
主な原因として多嚢胞性卵巣症候群・精神的ストレス、体重の減少・内科的全身疾患があげられます。

多嚢胞性卵巣症候群の多くは、初経時より月経周期の異常があり、生殖年齢女性の5~8%と高率に存在する。日本では月経異常や不妊を訴える患者の中から発見され、排卵障害の多数を占めています。

治療は挙児希望の有無によって異なるが、手術療法、薬物療法があります。

  • 挙児希望の有無にかかわらず、肥満(BMIが25以上)がある場合はまずは減量です。
  • 挙児希望がある場合は、治療法として、排卵誘発法や腹腔鏡下卵巣開孔術(LOD)があるため、専門クリニックへ受診をおすすめします。
  • 挙児希望がない場合は、月経異常に対してはホルモン療法(ホルムストロム療法)。ニキビ・多毛に対しては低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP:保険がきくピル、OC:経口避妊薬)の治療が必要です。

また、ダイエットのために無理な食事制限を行うと、栄養不足によって生殖機能が低下し、ホルモンバランスが崩れて稀発月経を引き起こす可能性があります。精神的なストレスもホルモンバランスに大きな影響をおよぼします。卵胞刺激ホルモン(FSH)を分泌する脳の下垂体(かすいたい)や、そこに指令を出す視床下部(ししょうかぶ)はストレスの影響を受けやすく、ストレスが過度になると機能が低下するといわれます。できるだけストレスフリーな生活や、食生活を見直すことも必要です。
稀発月経は、多くの場合は妊娠することは可能です。ですが、無排卵の可能性も比較的高いので早めの治療をお勧めします。

周期ごとの変動が大きいと要注意

周期ごとの変動が7日以上のものを不整周期と呼びます(月経様出血)。
月経周期の調節の為にエストロゲン・プロゲスチン配合薬を投与することがある。
子宮内膜ポリープ、子宮体癌、子宮頚癌などの器質的疾患による不正出血が、頻発月経として自覚されることもあるので注意が必要です。

月経量の異常

月経量の正常の目安は20~140ml(平均37~43ml)です。それより量が多い(140ml以上)もの、固まりが出ることを「過多月経」、少ない(20ml以下)ものを「過少月経」といいます。

過多月経

一般的な目安として下記のような場合は「過多月経」に分類されます。

  • ナプキンを1~2時間ごとに替えなければならない
  • 昼間でも夜用ナプキンが必要
  • タンポンとナプキンの併用が必要
  • 量が気になって外出できない
  • 月経血に大きい血の塊が混じっている

最も多い日でも普通用のナプキンなら2時間程度、多い日用なら3時間程度で替えるくらいが一般的とされています。
月経血とは本質的には、妊娠が成立しなかった子宮内膜が酵素の働きで出血を伴って剥がれ落ちたもので、血のように見えますが、実は色々なものを含んでいます。ですから指先くらいの大きさのレバーのような塊は、ちょっとなら別に心配する必要はありません。しかし、あまりに大きい塊は注意が必要です。

過少月経

一般的な目安として下記のような場合は「過少月経」に分類されます。

  • 出血が「おりもの」くらいの量しかない
  • 生理用ナプキンを取り替える必要もない程度

それぞれの原因については、後述の月経期間についてで、あわせてご案内します。

月経期間

正常な月経期間は4~7日です。2日以下の場合は「過短月経」、8日以上続く場合は「過長月経」と呼ばれ、何らかの病気が潜んでいる可能性があります。
一般的に、経血の量は2日目が一番多く、3日目から徐々に減っていく人が多いです。
「過多月経」と「過長月経」は随伴することが多く、同一の原因で起こることが多くあります。また「過少月経」と「過短月経」についても同じことが言えます。
月経量を測るのは難しいのですが、「過多月経」を反映する客観的な指標は鉄欠乏性貧血の有無でもわかります。

「過多月経」や「過長月経」の原因として考えられるのは、女性ホルモンのバランスの乱れ、子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜症などの病気、無排卵周期症などです。ホルモンバランスの乱れは生活習慣やストレスなどが原因のこともありますが、黄体機能不全という病気の場合もあります。ほかにも、知らず知らずのうちに妊娠をしていて流産をしてしまった場合にも出血がだらだら続くことがあります。

「過少月経」や「過短月経」の原因としては、子宮の病気、無排卵周期症、甲状腺ホルモンの分泌異常などが考えられます。そのほかにも、子宮内容清掃術・子宮内掻爬術後に、子宮内・子宮頸管の癒着により起こることや、子宮頸部円錐切除術後の合併症として起こることもあります。

月経量は多くても少なくても、月経期間は長くても短くても何らかの病気が隠れている可能性があります。一時的なものでなければ早めに婦人科への受診をおすすめします。

ゆかりレディースクリニック

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