子宮・卵巣の病気
子宮内膜ポリープとは?自覚症状があまりないから知っておきたい原因と治療について
- 2017.09.19
自覚症状があまりなく気づかれにくい病気のひとつに子宮内膜ポリープがあります。
自覚症状がある場合、不正出血や月経痛が起こる可能性がありますが、ホルモン剤を内服し、月経を起こすことで子宮内膜ポリープをはがし落とします。
子宮内膜ポリープができる原因は、エストロゲンの働きが過剰になっていることが考えられます。
今回は子宮内膜ポリープについてお伝えしていきたいと思います。
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子宮内膜ポリープとは?
子宮内膜ポリープとは、子宮の内腔を覆っている子宮内膜がキノコ状に発育したものです。ほとんどが良性のものですが、ごくまれに悪性のことがあります。大きさは、小さいもので1cm以下から、大きいものでは10cmを超える場合もあります。
■子宮内膜とは?
子宮内膜(しきゅうないまく、英: Endometrium)は、哺乳類の子宮に存在する上皮組織。
子宮内膜:Wikipediaより引用
■ポリープとは?
ポリープ(Polyp)は病理学的に粘膜(上皮細胞)に覆われた管腔臓器に発生する隆起性病変の総称である。
ポリープ:Wikipediaより引用
子宮内膜が過剰に増殖し、子宮内腔に腫瘍(ポリープ)ができる病気です。
子宮内膜ポリープの症状について
子宮内膜ポリープ。名前だけ聞くと、何かお腹が痛くなったり、下痢や問題がありそうな気がしますよね。
ただ、子宮内膜ポリープはあまり自覚症状がないことが多いと言われています。冒頭でもお伝えしましたが、症状としては不正出血や月経痛を起こることもありますが、基本的にはあまり症状としては出ません。
子宮内膜ポリープになる原因は、エストロゲンの働きが過剰になっていることが考えられます。閉経前後の女性に起こることが多いと言われています。
また、子宮内膜ポリープがあると、卵管で受精した受精卵が子宮内にもどってきてしまい、着床を妨げるため、不妊の原因となります。
子宮内膜ポリープの診断や治療について
自覚症状がほとんどないため、超音波検査やMRI検査でたまたま見つかることが多いです。
より正確な診断のために、細胞診や病理組織検査を行う場合もあります。
治療方法については、当院ではホルモン剤による治療を行っています。ホルモン剤を内服して月経(出血)を出させて、子宮内膜ポリープをはがし落とします。
当院では主に中容量ピルを使用します。
エストロゲン依存性疾患(乳がんなど)、糖尿病、高血圧などがある場合、治療が長期に及ぶ場合はプロゲスチンを使用します。
子宮内膜を掻爬して、ポリープを摘出する方法が、一番確実です。基本は、無麻酔か局所麻酔下で行う簡単な手術で、入院せずに日帰りで行うことができます。
内服方法について
- 中容量ピルを21日間、1日1回1~2錠(医師の指示通り)、ほぼ一定の時間に内服します。
- 21日間内服の後、1週間休薬します。休薬開始2~3日前後に生理様の出血があります。
- 以上を1クールとし、これを3クール行います。
*副作用:吐き気、嘔吐、食欲不振、むくみ、体重増加など。吐き気止めの処方も可能です。症状がひどい場合はご相談下さい。 - 3クールの内服終了後、子宮内膜が正常に戻っているか、超音波検査で確認します。
- 改善がみられたら再発予防のため、続けて低容量ピルを内服していただきます。
- 改善がみられなかったら、手術の可能性があります。
まとめ
今回は子宮内膜ポリープについてお伝えしていきましたが、いかがでしたでしょうか?
子宮内膜ポリープは、あまり症状としては現れにくい病気ですが、不妊との関係もあります。
不妊で悩まれている方は、子宮内膜ポリープの可能性もありますが、これを明確にするためには検査をするしかありません。
そのため、不妊で悩まれている方や、ご自身に子宮内膜ポリープがないか不安の方は、一度検査を受けていただくことをおすすめします。
今日の内容が少しでも参考になればうれしく思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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