美肌治療に欠かせない!「ハイドロキノン」と「トレチノイン」

美肌治療に欠かせない!「ハイドロキノン」と「トレチノイン」

シミの治療外用薬の代表的な成分としてあげられるものが「ハイドロキノン」と「トレチノイン」です。
これらはどのような成分効果があるのか、ハイドロキノンとトレチノインにはどのような違いがあるのでしょうか。また併用をする上での注意点についてご案内します。

ハイドロキノンとは?

ハイドロキノンはシミの原因となるメラニン色素を作らせなくする「肌の漂白剤」です。
炎症後、色素沈着を予防するにはハイドロキノンの使用が効果的です。
また既にできてしまっているシミに直接アプローチして、かつ新たなシミの元となる「メラニン」の発生を抑制し、シミの発生を強力に予防する効果が期待できる治療法は、「トレチノイン・ハイドロキノン療法」として確立しています。

シミを薄くしたり、予防したりする働きの効果が非常に高く、同じく美白効果があるとして知られている「アルブチン」や「コウジ酸」の約100倍もの効果があります。

成分に含まれる濃度にも規制がなく、1~6%程度まで様々な濃度のハイドロキノンが販売されていますが、一般的には1~3%が標準です。
一方で、皮膚科で処方される医薬品では、4%程度で配合される傾向があります。
当然ハイドロキノン濃度が高い方が効果も見込めますが、その分副作用が起こりやすくなります。特にハイドロキノンは使い方に注意が必要なため、高すぎる濃度のものはあまりおすすめしません。
肌が弱い方は、2%から使用するのもおすすめです。

ハイドロキノンの効果

ハイドロキノンで治療ができるのは、肌の浅い部分に出来た色素沈着によるシミです。

  • 老人性色素斑(加齢や紫外線が原因のシミ)
  • 肝斑(30-40代で発症する、ほほ骨や目じりの下あたりに左右対称にできるシミ)
  • 炎症性色素沈着(ニキビ跡、火傷跡、アトピー肌による色素沈着)
  • そばかす

逆に、肌の真皮層にまで入ったシミは、ハイドロキノンで取り除くことは出来ません。

ハイドロキノンの副作用

  • 赤みやかゆみが出る
  • 白斑(肌の一部が白くなる)が出る
  • よりシミが濃くなる

一般の範囲の赤みの場合はしっかりと保湿をして経過観察で大丈夫です。それ以上にひどい場合は使用を中止しましょう。

トレチノインとは?

トレチノインは、表皮のターンオーバーを促進させる塗り薬です。
ビタミンA誘導体で、ビタミンAの約50-100倍の生理活性があります。
FDA(アメリカ食品医薬品局)に認可されており、シワやニキビの治療医薬品として広く使用されています。
日本では承認されておらず、日本で手に入れるには、クリニックで保険適応外で購入するか、個人輸入が必要です。

表皮を作っている角化細胞は、表皮の基底層から分化成長しながら上へ登っていき、最終的には角化して剥がれ落ちます(剥がれ落ちたものが垢になります)。
このサイクルは、一般的には52日~75日と言われていますがトレチノインは、このサイクルを早める効果があります。

シミの原因が表皮細胞に存在する場合、トレチノインを使用することで、シミがより表面に上がってきやすくなるため、メラニンが早く排出されることになります。
これが、トレチノインが色素沈着に効果があると言われる理由です。
色素沈着以外にも、表皮のターンオーバーが促進されることで、ニキビや小じわの改善にもつながります。

トレチノインの効果

  • ピーリング作用:古い角質をはがし、角質を除去します。
  • 肌のターンオーバー促進:肌の新陳代謝を促進して、シミの原因であるメラニンを排出します。
  • 皮脂のコントロール:皮脂腺の働きを抑え、皮脂の分泌を抑えます。皮脂によるニキビ、毛穴の開きにも効果があります。
  • コラーゲン増生:真皮のコラーゲンやヒアルロン酸の生成を促し、小じわを改善、肌のハリをもたらします。

トレチノインの副作用

  • 赤みや皮むけ、ピリピリとした刺激感があります。
    特に、目の周りや口の周りにそのような症状が現れやすくなります。
    これはトレチノインが効いていることの目安でもあるため、さほど気にすることではありません。どうしても我慢できない場合は、塗るのを中止し、その後も症状が落ち着かない場合は病院を受診してください。
    もし、このような好転反応が起こらない場合、トレチノインが効いていない可能性があるので、濃度を上げるなどの対応をしてみましょう。

なお、トレチノインは妊娠中、妊娠を希望している方は使用できません。
トレチノインの成分であるビタミンA誘導体によって、胎児の奇形リスクが高まる恐れがあるためです。トレチノイン使用中は、必ず避妊するようにしてください。

ハイドロキノンとトレチノインを併用することのメリットは?

ハイドロキノンとトレチノインとを併用することで、得られる効果は2つあります。

  1. ハイドロキノンの効果を高めるということです。
    ハイドロキノンは単体で使用した場合、吸収が悪く、高い効果を得ることができません。しかし、トレチノインと併用することで吸収率が上がり、ハイドロキノンの効果を発揮することができるのです。
  2. シミを確実に治すことです。
    ハイドロキノンでシミを薄くし、トレチノインでターンオーバーを促すので、薄くなったシミがどんどん表皮に押し上げられて排出されるため、結果として新しく作られた皮膚はシミのないキレイな肌となるのです。ハイドロキノンは、できているシミを薄くするだけでなく塗布している部分に新しいシミを作らせないようにする効果もあるため、ハイドロキノンの塗布を続けている部分はシミのない肌を維持することができるようになるのです。

併用時の注意点

トレチノインとハイドロキノンの併用使用はそれぞれを単体で使用した場合に比べ、高い効果が得られる分、かなり強力な治療法となります。そのためしっかりと注意事項を守った上で併用することが必要です。

  • ご自身で使用するような場合は、まず塗る順番ですが、洗顔をして肌を整えた後、先にトレチノインをシミの部分にだけ塗布し、その後にハイドロキノンを顔全体にたっぷりと塗るようにします。
    使用後は冷蔵庫で保管するようにし、余ってしまったお薬は破棄しましょう。余ったお薬を後々、自己判断で使用することで皮膚のトラブルにつながることがあります。
  • トレチノインやハイドロキノンを塗布後、外に出る場合は必ず日焼け止めを塗布するなど紫外線対策をしましょう。紫外線対策をせずに外出してしまうと、シミが濃くなる可能性があります。
  • トレチノインもハイドロキノンも安定性が非常に悪いお薬ですので長期保存をすることができません。

ゆかりレディースクリニック

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